先週13日 金曜日 日本成年後見法学会が主催する国際シンポジウム「イギリス成年後見法の動向からみるわが国への課題」に参加しました。
イギリスの成年後見は日本とは逆転しており、任意後見人の利用率が圧倒的に多いという現状の中、「2005年 意思能力法・行動指針」は イギリスでもとても画期的なものであったようです。
Denzil Lush氏のお話される具体的な事例をお聞きしながら、 「能力を欠くと確定されない限り、人は能力を有すると推定されなければならない」という原則に基づき、第3条の「意思決定ができないとはどういうこと」、また4条の本人にとって最善な利益 (Best interests)とはなどの具体的な表記はメディエーターやケースマネージャーとしてもとても考えさせられました。
上記第4条 次のように明記されています。(「イギリス2005年 意思能力法・行動指針」新井誠監訳 紺野包子 翻訳 民事法研究会 発行 より抜粋)
第4条 最善の利益
1 本法の趣旨に照らして本人の最善の利益を判断するに当たっては、意思決定者は単に次の事実のみに基づいて判断してはならない。
(a) 本人の年齢又は容貌
(b) 本人の最善の利益になるという根拠のない思い込みを他人に抱かせるような本人の様子または行動
また 4項には
4 意思決定者は 本人のためになされる行為又は本人に影響を及ぼす意思決定に、合理的に実行可能な範囲で、できる限り本人に参加を許し、奨励し、本人の参加能力を高めるように努めなければならない。
個人的にとくに考えさせられたのは 「治療を拒否する事前の意思決定」(第24条)です。自分が将来どうなるかは本人自身も不安なもの。それを「最善な利益」となるように事前に意思を決定するとはどういうことなのだろう? 自分の身に置き換えたり、家族として考えたりしながらお話をお聞きする中、専門家や支援者が果たすべき役割の大きさにも実感させられる講演でした。
私自身 高齢者に支援者としてかかわる中、ご本人の意思決定をどのように支え、エンカレッジ(日本語の「勇気づける」、「励ます」でもないような気がするのです。日本語の適宜な訳がみつけられず英語のまま失礼します)することができるのか自問自答と内省の日々です。
福祉関係者とのかかわりの中での苦情の取扱(主にオンブズマンですが)なども明記されており、もう少し深くお話を伺えなかったのがとても残念でした。